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心理学的にヒゲを考えると「サングラス」と同じような意味があるといわれております。それは本来の自分の姿と違う自分に変貌することにより、いつもとは違う自分になるという意味です。深層心理のなかにある自身へのコンプレックスによる変身願望が、そのような心理をおこさせるのかもしれません。よってヒゲを生やすことにより、行動的になり野心的にもなりえるとも言えます。
これを時代の中のヒゲに当てはめてみると興味深いことが判ります。ヒゲとして認知されはじめた戦国時代では、まさに男は行動の時代だったといえると思います。日本各地の大名、また使える武士など天下人を目指していた時代にはヒゲは「強さ」そして「野心」の象徴として普及します。そして江戸時代には徳川家によりヒゲは禁止されるわけですが、これにもそれなりの意味があったことが想像されます。資料がないので持論となりますが、ヒゲを禁止することにより世の男たちの行動力、特に野心を取り除きその動乱の時代に終止符を打たす布石とも考えられます。 |
そして江戸時代から近代史へと移る明治・大正・昭和初期は戦争なども起きた動乱の世でもあったと考えられます。まさにまた戦国時代のように男が行動力を求められる世になり、ヒゲもまた軍人・政治家・財界などに行動力、野心とともに威厳・権力という意味合いの元で普及をしていくのです。
その後、第二次世界大戦の敗北とともに日本は急速に高度成長時代へと突入します。世の中は経済の普及とともに企業という大きな組織の中で、組織の中の個を求められる時代になるわけです。ここで様々な企業はチームワークを重視し、脱個人を社員に求め始めます。ゆえにヒゲは会社では、職場ではけしからん・・という風潮がでてきた背景があると思われます。そう、お気づきかもしれませんが企業は徳川幕府が行った大ヒゲ禁止令を発令し、組織としての力を優先したのでした。そして、その力ゆえに日本は瞬く間に高度成長をとげ現在の地位を築きあげたといえます。
そうして、高度成長末期ともいえるバブルが崩壊し日本は新しい局面を迎えることになります。それは「成果主義」ともいえる欧米型の経済システムが企業にも普及され始めております。つまり、企業という集団から抜け出ることが求められる時代になり、没個性化から行動をする個を主張する時代へ変わりつつあるわけです。すると、また世にはヒゲが普及する時代が訪れようとしているわけですね。行動的といえば、それまでヒゲが禁止されていた我が国の自衛隊も近年ヒゲが解禁されたのが記憶に新しいとこですね。
また高度成長期を支えた団塊世代の方々が、定年退職後の活路を見いだす際にもヒゲは大事な意味合いを持ちます。それまで勤め上げた企業において守らされた大ヒゲ禁止令への反動、そして新しい活路への行動をヒゲが意味するところなのです。まさに、団塊世代の方々がまた新しい形の日本におけるヒゲ文化をつくりあげる時なのかもしれません。
ヒゲ倶楽部特別技術顧問:藤井実 |
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